ページビューの合計

2013年12月25日水曜日

精神科ポイント

精神科ポイント

・全体像
内因性:統合失調症(皮質のドパミン過剰)、気分障害(皮質のセロトニン、NA欠乏)
外因性:脳疾患、全身疾患(症状精神病)、薬物
心因性:転換性障害、解離性障害、恐怖障害、不安障害、強迫性障害、身体表現性障害、心気症性障害
・気質:人格の基礎をなす先天性の特性
分裂気質:統合失調症、細長型、非社交的、過敏性と鈍感の共存
循環気質:躁うつ病、肥満型、社交的、爽快だが抑うつ
執着気質:躁うつ病、
粘着気質:てんかん、闘士型、粘着、爆発
メランコリー:うつ病
ヒステリー性格:誇張的、自己顕示欲、虚栄心、未熟、依存性
・ライフサイクルと発達心理
乳児期:分離不安(1才ピーク、2才消失)
青年期:自我同一性障害(自分とはなにか、自分探しの旅)
成人期:空の巣症候群(離別をきっかけ)
・意識の異常
見当識障害:軽度の意識障害、時、場所、人
せん妄:軽度の意識障害+興奮(妄想、幻覚)、振戦せん妄(アル中の禁断症状)、夜間せん妄(脳血管性痴呆)、術後せん妄(術後数時間後にICUで)
アメンチア:思考散乱+困惑
もうろう状態:意識混濁は軽度だが追想不能
・知覚の異常
錯覚:存在するものを誤って知覚、幻覚:存在しないものを知覚
paleidoria:壁のシミが顔に見える錯覚
真性幻覚:5感で知覚できる幻覚
偽性幻覚:5感で知覚できない幻覚、統合失調症「宇宙から電波がやってきて子宮にかかる」
幻視:アル中に伴う小動物幻視、Lewy小体性認知症
幻聴:統合失調症(言語性)、アル中、覚せい剤
幻臭:側頭葉てんかん
体感幻覚:セネストパチー「腹の上で虫が浴衣を着て踊っている」
・記億の異常
記銘の異常:海馬、コルサコフ症候群(ウェルニッケ脳症に合併、失見当識、健忘、作話)
保持の異常:側頭葉
想起の異常:頭頂葉、前向性健忘は事故後の記憶消失、逆行性健忘は事故前の記憶消失
・思考の異常
保持:痴呆、同じ考えが繰り返し出てくる
迂遠:てんかん、思考速度が緩慢
制止:うつ病、頭に思い浮かばない
途絶:統合失調症、思考が消えた、取られた
観念奔逸:躁病、概念が不完全なまま進行するが、連合は保持
思考滅裂:統合失調症、概念の連合が失われ(連合弛緩)、言葉のサラダ(思路異常)を生じる
・思考体験の異常(思考に関する自我体験異常)
強迫観念
作為体験(させられ体験):統合失調症の自我意識の異常、思考吹入(すいにゅう)、思考干渉、思考伝播、思考察知、思考奪取(だっしゅ)
・思考内容の異常
妄想:訂正不能な誤った考え
一次妄想:了解不能な妄想、統合失調症の妄想気分(何か異様なことが起きつつある)、妄想知覚(家の前の車に監視されている)、妄想着想(私はキリストの生まれ変わりである)
二次妄想:了解可能な妄想、躁病の誇大妄想、うつ病の微小妄想、統合失調症や神経症の関係妄想(他人の何気ない仕草が自分に関係した何かの意味であると確信)と被害妄想、アルコール依存症の嫉妬妄想、妄想性障害、てんかんでも見られる
・敏感関係妄想:敏感性格者が長期の性的、社会的、対人的葛藤状態→関係妄想、恋愛妄想、被害妄想
・妄想性障害:高齢者、1ヶ月以上持続、被害妄想(物盗られ妄想)、嫉妬妄想、誇大妄想、色情妄想、妄想のみの症状、抗精神病薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、予後良好
・感情の異常
情動麻痺:心因反応、驚愕後の何も感じない状態
情動失禁(感情失禁):理由もなく突然泣き出したり笑い出す、脳血管性痴呆
感情鈍麻:統合失調症末期
両価性:相反する感情が同時存在、統合失調症
恍惚:意識の狭窄+生命感情の異常興奮、統合失調症、ヒステリー、麻薬中毒、宗教儀式、性交
自閉:自我意識が障害され、周囲との接触を絶った状態、統合失調症
児戯的爽快:感情の深みがなくなる、統合失調症末期
・マスローの人間の欲求:生理的欲求<安全の欲求<所属と愛の欲求<承認の欲求<自己実現の欲求
・睡眠
nonREM(体は動いて頭は休み)→REM(頭は動いて体は休む→夢を見る)を4,5回繰り返す
REM睡眠時は自律神経の不安定化→喘息や異型狭心症を起こしやすい、抗重力筋のトーヌス低下
・ナルコレプシー
日中に突然強い睡魔、30分程寝ると爽快、HLA-DR2が陽性、15才前後に発症、視床下部のオレキシンが欠乏、症状はREMアタックと情動脱力発作(カタプレキシー)、治療はメチルフェニデート(リタリン)、三環系抗うつ薬(REMを抑制)
・Kline-Levin症候群:思春期男児、周期的傾眠、過食、成人とともに自然治癒
・言語の異常
構語障害:発音に関する神経筋の異常(球麻痺、仮性球麻痺)
失語:言語中枢の異常
・失語
Wernicke失語:発語可能、理解不能、復唱不能
Broca失語:発語不能、理解可能、復唱不能
伝音失語:復唱のみ障害
健忘性失語:想起のみ障害
超皮質性感覚性失語:復唱可能、理解不能(より上位の概念中枢へのinputが悪い)
超皮質性運動性失語:復唱可能、発語不能(より上位の概念中枢からのoutputが悪い)
・カタレプシー(強硬症):緊張型統合失調症、抗精神病薬の副作用、受動的に与えられた姿勢を保持し続ける
・知能テスト:田中Binet、WAIS(成人)、WISC(児童)、WPPSI(幼児)
・性格テスト:質問紙法=自記式:MMPI(ミネソタ多面人格テスト)、矢田部Guilford、CMI(Cornel Medical Index)は神経症のスクリーニング検査、エゴグラム
・性格テスト:投影法:ロールシャッハ、文章完成法SCT、絵画統覚検査TAT、バウムツリーテスト
・作業能力テスト:Kreepelin内田連続加算テスト
・認知症テスト:長谷川式簡易知能評価スケール(20/30以下で痴呆)、MMSE(Mini-Mental State Examination)(20/25以下で痴呆)
・うつ病テスト:自己評価:SRQ-D、Zung、Beck、医師診断:Hamilton
・精神症状の評価:状態特性不安検査(不安を測定する質問紙法)、BPRS(簡易精神評価尺度→全ての精神疾患)
・抗精神病薬:抗ドパミン作用、妄想、幻覚、せん妄に適応
クロルプロマジン:D1,2ブロッカー
ハロペリドール:D1ブロッカー
リスペリドン(リスパダール):SDA、非定型抗精神病薬、陰性症状にも有効、錐体外路症状が少ない、うつ病、L-dopaの幻覚にも有効
オランザピン(ジプレキサ):MARTA(ほとんどの神経伝達物質を遮断)、非定型抗精神病薬、副作用は糖尿病と肥満、他はリスペリドンと同じ
スルピリド(ドグマチール):抗潰瘍薬、抗うつ薬、抗精神病薬(大量投与で)
・抗精神病薬の副作用
錐体外路症状:最も多い副作用
悪性症候群:抗精神病薬、L-dopaの突然の中断で起きる、高熱と筋破壊による急性腎不全、治療はダントロレン、ブロモクリプチン、ARFに生食輸液や透析
遅発性ジスキネジー:口をモグモグさせる動き
アカシジア:下肢のムズムズ感
高PRL血症による乳汁漏出症候群、SIADHと多飲多尿、QT延長症候群による心毒性
・抗不安薬:GABA-A受容体のアロステリック作用でCl透過性亢進、不安障害、てんかん重積に適応
ベンゾジアゼピン系(ジアゼパム、ニトラゼパム、メプロバメート)
・抗不安薬の副作用
睡眠作用、呼吸抑制、健忘、反跳性不安、常用量依存→身体依存→中断で不安不眠、禁忌は重症筋無力症と急性緑内障発作
・抗うつ薬
三環系抗うつ薬:モノアミン再取り込み阻害(モノアミン=NA、ドパミン、セロトニン)、全てのモノアミンを増やすので効くことが多い、イミプラミン、アミトリプチリン、適応はうつ病、抑うつ状態、ナルコレプシー、副作用は抗コリン作用(口渇、SIADH、眼圧上昇、排尿障害、起立性低血圧)、QT延長症候群
四環系抗うつ薬:心毒性少ない
SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害、セロトニンだけを増やすので効かないことあり、プロザック、フルボキサミン(デプロメール)、副作用はセロトニン症候群(錯乱、軽躁、興奮、ミオクローヌス、下痢、発汗)→投与中止で24時間以内に消失
SNRI:セロトニン-ノルアドレナリンとり込み阻害、三環系に匹敵する効果、副作用は少ない、効果発現は早い
MAOI:モノアミン酸化酵素阻害、全てのモノアミンを増やすので難治性うつ病に適応、副作用は起立性低血圧、浮腫、交感神経興奮、チラミンを含む食品(赤ワイン、チョコレート、チーズは避ける)
・抗躁病薬:気分安定薬、適応は双極性障害、躁病
炭酸リチウム:有効血中濃度と中毒濃度が近い→血中濃度測定が必要、副作用はけいれん、意識障害
カルバマゼピン、バルプロ酸
・精神賦活化薬:ドパミン分泌促進
メチルフェニデート:適応はナルコレプシー、ADHD、副作用は交感神経興奮
・精神依存と身体依存があるもの:モルヒネ、アルコール、ベンゾジアゼピン系、バルビツレート系
・抗精神病薬は依存性がない
・覚醒剤依存:アンフェタミン、メタアンフェタミン、気分爽快、疲労感消失、幻覚妄想、交感神経興奮で散瞳、精神依存は強いが身体依存は弱い、薬物中止後しばらくしても幻覚妄想が出現(フラッシュバック)、長期摂取後も少量でも症状発現(逆耐性現象)
・支持的精神療法:患者の人格や適応の仕方を根本的に変えるのではなく現実への再適応に導く
・精神分析療法:自由連想で患者の基礎心理を把握する、ヒステリー
・森田療法:あるがままの自己を受け入れる訓練、強迫性障害、パニック障害
・自律訓練療法:催眠による自己暗示で心身の緊張を解く、自律神経失調症、心身症、神経症
・行動療法:誤った行動を条件付けで修正、強迫性障害
・認知行動療法:認知の誤りを是正、うつ病、強迫性障害、パニック障害、PTSD、恐怖症、摂食障害
・集団精神療法:断酒会などの自助グループ
・遊戯療法:広汎性発達障害、不登校
・箱庭療法:箱の中に人形を並べて自己を表現することで解放、神経症、心身症、摂食障害、不登校
・生活療法:統合失調症の社会復帰のための治療、生活療法、レクリエーション療法、作業療法、芸術療法、生活技能訓練(SST:social skill training、コミュニケーション訓練)
・精神保健福祉センター:都道府県に1つ、保健所の相談助言、疫学,調査,研究(社会復帰施設ではない、訪問指導は行わない)、精神障害者手帳の審査(交付は市町村)
・精神保健指定医:精神保健福祉法、厚労大臣指定
・入院形態:任意入院66%>医療法保護入院31%>措置入院1%
措置入院:自傷他害のある人を強制入院、2人の精神保健指定医が判断し知事が決定、治療は公費負担
医療保護入院:自傷他害の恐れはないが、保護者と精神保健指定医が判断、10日以内に知事へ届出
緊急措置入院:1人の精神保健指定医が決定、72時間以内
応急入院:直ちに入院しなければ死の危険性がある場合、72時間以内、直ちに知事へ届出
・生活訓練施設:援護寮、生活訓練を2年限定で行う
・福祉ホーム:住まいの提供
・グループホーム:共同生活
・授産施設:労働訓練をして就職を目指す、工賃がもらえる
・福祉工場:労働訓練を終えた人に雇用と与える、授産施設よりも一般就労に近い、最低賃金、雇用保険、労働基本法の適応
・デイケア:外来通院施設、病院不足で保健所や精神保健福祉センターでも行う
・ナイトホスピタル(ナイトケア):日中就労している精神障害者を夜に相談、指導、夜間介護が必要な認知症患者のショートステイ
・統合失調症:有病率1%、皮質のモノアミン(特にドパミン、セロトニン)過剰、破瓜型は思春期発症/緩徐/陰性症状強く/予後不良、緊張型は20才前後発症/急性/陽性症状強い/予後良好、妄想型は30才以降発症/慢性/妄想幻聴中心/予後良好
・パラノイア(妄想性障害):統失の亜型、体系化された妄想のみ、人格障害はない
・緊張病症候群:統失の亜型、脳血管障害や変性疾患でも見られる、興奮、混迷、カタレプシー、反響言語、反響動作、命令自動、拒絶症、常同症
・非定型精神病:躁鬱病+統失、周期性、多彩な症状、予後良好
・統失の症状:
陽性症状:妄想、思考障害、緊張病症状、奇異な行動
陰性症状:感情鈍麻、意欲欠如、寡動、引きこもり
対話形式の批判性幻聴、一次妄想(妄想知覚→知覚解釈に妄想、替え玉妄想、変装妄想→拉致しにきた、世界没落体験、妄想着想、誇大妄想、心気妄想)、自我障害(作為体験、考想伝播)、思路異常(連合弛緩、思考滅裂)、感情障害(感情鈍麻、ラポールの障害→プレコックス感)、独語、空笑、強迫性飲水
・統失の治療:発症初期からの薬物療法(クロルプロマジン、ハロペリドール、リスペリドン、オランザピン)、寛解後も少量持続投与、支持的精神療法、生活療法、薬物治療無効/緊張病性昏迷に電気痙攣療法、社会生活技能訓練SST、統合失調症の社会復帰はまずデイケア
・気分障害(躁鬱病):有病率1%、成人女性に多い
うつ病:うつのみ
双極性障害Ⅰ型:そう+うつ、若年発症、遺伝性、急速交代型(年4回以上そううつを反復)
双極性障害Ⅱ型:軽そう+うつ
気分変調:軽うつ
気分循環:軽うつ+軽そう
仮面うつ病:身体症状が前面に立つ
季節性情動障害(冬季うつ病):過眠、過食、治療は高照度光療法
退行期うつ病(更年期うつ病):初老期発症、長引き予後不良→抗うつ薬と共に非定型精神病薬、ECT
高齢者うつ病:心気傾向、焦燥、貧困妄想
若年のうつ:自己愛、漠然とした自信、倦怠感、周囲への批判
産後うつ病:出産1ヶ月発症
薬物惹起性うつ病:インターフェロン、レセルピン、ステロイド
複雑性悲嘆:近親者の離別で発症、抗うつ薬無効(ドパミン作働性の側坐核の障害)
・うつ病の病前性格:循環気質、執着気質、メランコリー性格(秩序尊重、責任感強い)
・うつ病の症状:転職、昇進、引越しをきっかけに、意欲低下(しなければならないができない)、体重減少、思考制止(考えが浮かばない)、仮性認知症、二次妄想(微小妄想、罪業妄想、貧困妄想)、希死念慮、自殺企図、早朝覚醒、事故傾性、日内変動(午前が重篤)
・うつ病の診断:SRQ-D、Zung、Hamilton(医師がベッドサイドで行う)
・双極性障害の治療(そう病期を含む場合):リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン(そう病に抗うつ薬は使わない→そう状態を誘発)
・抗うつ薬:1st choiceは休養
三環系(第1世代):大抵効くが、効果発現遅く、副作用多い(抗コリン薬、QT延長)
四環系(第2世代):三環系の心毒性を少なくした
SSRI(第3世代):効かないことがあるが、副作用が少ない、効果発現遅い
SNRI(第4世代):効果は三環系並み、副作用が少ない、効果発現速い
MAOI:難治性うつ病、チラミンを含む食物は避ける
ECT(電気けいれん療法):重症の自殺企図
支持的精神療法:必ず回復することを保証する
・自殺3万人の1/3がうつ病による、自殺企図者は自殺者の10倍、うつ病の生涯自殺率2%、入院歴あると2倍、自殺企図歴があるとさらに2倍
・1年で半数が自然寛解、しかし半数が再発、治療しても3ヶ月持続、そう病の再発は10%
・神経症:性格を基礎として、ストレスに対する反応で生じる、治療は全て認知行動療法が1st choice、森田療法、抗不安薬、うつ病合併なら抗うつ薬
・強迫性障害:馬鹿な事だとわかっていてもやめられない、強い病識あり、強迫観念は了解可能、1/3にうつ病合併、確認強迫、質問癖、疑惑癖、計算癖
・パニック障害:20才前後の女性、突然の激しい発作(過呼吸、動悸、発汗、振戦、死への恐怖、意識障害)→病院での検査異常なし→予期不安(いつまた発作が起きるかもしれない)→広場恐怖(発作が起きたときに逃げ場がない)→引きこもり、うつ
・パニック障害の検査:性格検査、状態特性不安検査STAI(不安状態を把握、質問紙法)
・全般性不安障害GAD(不安神経症、ノイローゼ):6ヶ月以上続く原因不明の不安や心配、コントロール不能→不眠やうつ
・社会不安障害SAD(社会不安、社交不安、対人恐怖):知らない人と交流、他人の注目を恐れる
・解離性障害、転換性障害(ヒステリー):意識障害を起こすものを解離性、運動知覚障害を起こすものを転換性
・解離性障害の症状:健忘、遁走、昏迷、トランス、離人症(自我意識の障害)、同一性障害(多重人格、性的虐待が原因)
・転換性障害の症状:失立、失歩、心因性失声、けいれん、後弓反張、らせん状視野、機能性難聴、拘禁反応(Ganser症候群)
・心気症(ヒポコンドリー):些細な身体の不調を重篤な病気だと思い込む、6ヶ月以上持続
・身体化障害:30才前後に発症、検査異常がないのに、数年にわたって、ズキズキするような痛み、うずくような痛み、吐き気
・身体表現性障害:心気症、身体化障害、転換性障害、疼痛障害、醜形恐怖
・適応障害:社会環境に適応できず、心身に異常をきたす、原因が解消されれば半年以内に治癒
・広汎性発達障害:小児自閉症、脆弱X症候群(MR+巨大睾丸、FMR遺伝子のCGGrepeat↑)、Rett症候群、Asperger症候群、高機能自閉症
・小児自閉症:男児、2才以前に発症、対人関係の障害(分離不安なし)、コミュニケーション障害(言語発達遅延、オウム返し、反響言語)、限定された反復的常同的行動、8割はMR(IQ70以下)、明確な遺伝性なし、同胞発症率は2倍、多動(ADHDとまではいかない)、偏食、てんかんを伴う、治療にメチルフェニデートが使われることがある
・Rett症候群:MeCP遺伝子異常、XD、6M以降の女児、6Mまでは正常発達→MR、自閉、手もみ動作、小脳失調、呼吸障害(過呼吸、無呼吸)、脳波徐波化
・Asperger症候群:男児、高機能広汎性発達障害、言語発達遅延やMRなし、対人関係の質的な異常、冗談が通じない、変化を嫌う、視線を合わせない、反復的行動、検査はBPRSで精神状態を把握
・ADHD(注意欠陥多動性障害):7才以前に発症、6M以上持続、学童の5%、男児に多い、女児は他動はない(不注意が主)、右前頭前野のドパミン、ノルアドレナリン低下、そわそわする、じっつぃていられない、順番が待てない、他人の邪魔をする、学習障害はあるが知能低下はない、学校と家庭両方で見られる、治療はメチルフェニデート、アトモキセチン(NA再取り込み阻害薬)
・Gille de la Tourett症候群:男児、1%、1年以上続く運動性言語性チック、思春期以降改善、治療はハロペリドール
・アルコールによる障害
①アルコール依存症:精神依存だけでなく、身体依存あり、依存度はCAGE(Cut down,Annoyed,Guilty,Eye opener)のうち2つ以上
②振戦せん妄(アルコール離脱症候群):断酒1~3日後、手指振戦、発汗頻脈、不安、睡眠障害、せん妄、小動物幻視、治療は輸液、ビタミンB群、ジアゼパム、重症例はハロペリドール→アルコール依存症患者には最終飲酒日を必ず聴取する
③Wernicke脳症:ビタミンB1欠乏による上部脳幹出血、Korsakoff症候群(健忘、作話、失見当識)を伴う
④アルコール嫉妬妄想:配偶者の不貞を妄想、被害妄想
・境界性人格障害:不安定な母子関係、「裏切られた」がきっかけ、理想化とこき下ろし、不安定で激しい対人関係、怒りの制御困難、衝動性(浪費、性行動逸脱、薬物乱用)、自殺のそぶり、見捨てられることを避けようという涙ぐましい努力
・PTSD:心的外傷後6M以内に発症、小児に好発、記億想起の回避、しかし突然のフラッシュバック(→想起の制御ができない→思い出せないのに突然思い出す)、感情鈍麻、うつ、不眠、重症例は幻覚、治療は認知行動療法、グループ療法、精神力動的治療

0 件のコメント:

コメントを投稿