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2013年12月25日水曜日

血液ポイント

血液ポイント

・寿命:赤血球→120日、血小板→10日、顆粒球→数h、リンパ球→数h~数年
・造血部位:
 胎生6週まで(胎芽期)→卵黄嚢
 胎生6週~6ヶ月→肝脾
 胎生6ヶ月以降→骨髄(扁平骨の赤色髄)
・骨髄線維症→髄外造血、脾で造血なので巨脾
・クローン性増殖
 白血病:AML、ALL、CML、CLL、MDS
 骨髄増殖性疾患:真性多血症、本態性血小板血症、CML、骨髄線維症
 リンパ増殖性疾患:ALL、CLL、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫
 その他:PNH
・赤芽球→網赤血球→赤血球
・網赤血球:ギムザ染色で大型多染性、超生体染色で網目状、末梢では1±0.5%、骨髄バリア障害や赤血球破壊亢進で↑
・グリシン+サクシニルCoA→δ-ALA→PBG→UPG→プロトポルフィリン→ヘム
・ヘモグロビン=ヘム+グロビン+Fe2+
・好酸球↑:Ⅰ型アレルギー、寄生虫、コルチゾール↓、CML、ホジキン病、PV、PN、AGA
・腸チフスで好酸球↓↓
・血小板↑:鉄欠乏、CML、MF、本態性血小板増加症、血管炎(川崎病、AGA、PN、MPA)
・血液幹細胞→CD34+
 T細胞→CD3+
 helperT細胞→CD4+、HTLV1やHIVが感染する
 killerT細胞、suppressorT細胞→CD8+
 B細胞→CD20+(ビールは二十歳から)
 NK細胞→CD56+(殺すぞキラー)
 Mφ→CD68+(牢屋は真っ黒)
 樹状細胞→CD1a+
・血小板の顆粒→アズール顆粒、α顆粒、ADP、エピネフリン
・リストセチン凝集能は粘着能を測定
・急性期反応性蛋白:肝で合成、CRP、α1-AT、ハプトグロビン、フィブリノーゲン、セルロプラスミン
・凝固因子:1,2,5,10は共通、7が外、他は内、6は欠番。K過剰では2,7,9,10が↑しかし拮抗するProteinS,Cも↑
・INR:international normalized ratio、試薬や温度で左右されやすいPTを標準化したもの、ワーファリン投与時は2-3にコントロール(出血傾向なく血栓予防)
・血液型判定:おもて試験は患者血液に抗A抗体(青い試薬)、抗B抗体(黄色い試薬)を入れる、うら試験はA,B,Oの赤血球に患者血清を入れる
・交差適合試験:輸血の安全性を見る、主試験はドナー血球を患者血清に入れる、副試験は患者血球にドナー血清を入れる。ABO同一なら副試験は省略可
・血算はEDTA(Caキレート)、輸血/赤沈/PT/APTTはクエン酸(Caキレート)、血ガスはヘパリン、血糖値はNaFを添加
・赤血球輸血はHb8以下でHt30、Hb8-10を維持する、血小板輸血は血小板2万以下で行う(3万以上で外科手術可、5000切れば自然出血)
・濃厚赤血球液:1単位でHb1g/dl↑、1時間で投与
 濃厚血小板液:10単位で血小板2.5万↑、1時間で投与
・不適合輸血:発疹→胸部苦悶→ショック→意識消失、ARF、ARDS、MOF
・保存血大量輸血副作用:低Ca(∵クエン酸と結合)、高K(∵血球内のK漏出)、出血傾向(∵希釈で血小板濃度↓)、低体温、代謝性アシドーシス(∵クエン酸)、微小肺塞栓、肺水腫(∵水分過剰)、ヘモクロマトーシス
・Howell-Jolly小体:核の遺残がある赤血球、摘脾後、無脾症、巨赤芽球性貧血で↑
・破砕赤血球(fragmentation)→赤血球破砕症候群(HUS、TTP、DIC)
 涙滴赤血球(tear drop cell)→骨髄線維症
 標的赤血球(target cell)→サラセミア
 有棘赤血球→PK欠乏症
 球状赤血球→HS,AIHA
(破砕、涙滴、標的は1,2個くらいなら普通の貧血でも見られる)
・白血球分画:好中球→50%、リンパ球→30%、桿状核球/単球1-9%、好酸球3-6%、好塩基球1%
・好中球過分葉(5葉以上)→巨赤芽球性貧血、MDS
・成熟リンパ球↑:百日咳、伝単、CLL
・巨大血小板:MDS、骨髄増殖性疾患、Bernard-Soulier、ITP(巨大なIBM)
・骨髄穿刺は上後腸骨稜、胸骨正中は骨折しやすい、乳幼児は脛骨上部内面
・骨髄穿刺液:NCC(有核細胞数)は30万/mm3以上、M/E比(白系/赤系)は2~3
・dry tap:白血病、癌の骨髄転移、骨髄線維症
・白赤芽球症:癌の骨髄転移、MF、粟粒結核、赤白血病(M6)
・紅斑:血管拡張→硝子圧法で消失
 紫斑:皮下出血=表在出血→硝子圧法で消失しない、血小板異常は点状出血、凝固因子異常は斑状出血
 深部出血:凝固因子の異常、関節内、筋肉内
・SLE、AIHA、ITP→互いに移行、合併する
・PNH、再生不良性貧血、白血病→互いに移行、合併する
・骨髄移植:
ドナー:全身麻酔下で200ヶ所の骨髄から採取、またはG-CSF投与(副作用は骨痛)で末梢血中の幹細胞増殖させ採取
レシピエント:全身放射線照射(1回2Gy×1日2回×3日)、またはシクロフォスファミドで前処置後、幹細胞を点滴静注(一般の癌は1日2Gy×週5日×6週=60Gyが最大)
適応は悪性疾患は60才以下、良性腫瘍は50才以下、再生不良性貧血、白血病、悪性リンパ腫など
・骨髄移植→急性GVHD(10日)→サイトメガロウィルス(2ヶ月)→慢性GVHD(100日以降)
・急性GVHD:発熱、紅斑→黄疸、下痢→骨髄無形成→汎血球減少(腎障害はない)
 慢性GVHD:SjS(肝障害、間質性肺炎、唾液腺障害)、SSc、扁平苔癬様皮疹
・GVHDが起きやすいのは血縁者間移植や輸血でone way match、レシピエントの細胞性免疫低下時(骨髄移植)
・抗癌剤の副作用
 メトトレキセート:口腔粘膜潰瘍
 アドリアマイシン:心筋障害
 ビンクリスチン:末梢神経障害、イレウス、SIADH
 シクロホスファミド:出血性膀胱炎
・Wintrobeの赤血球指数
 MCV=Ht/RBC×10万、正常値は80~100
 MCH=Hb/RBC×10万、正常値28~32
 MCHC=Hb/Ht、正常値31~35
・乳児期、思春期、妊婦、高齢者はHb11以下で貧血、他は12以下で貧血
・小球性貧血→Hbの異常(鉄欠乏性貧血、サラセミア)
 大球性貧血→巨赤芽球性貧血、溶血性貧血、MDS
 正球性貧血→腎性貧血(MCV↓MCH↓MCHC↓)
・食事中の鉄1日10mg→胃酸でfreeFe3+→VitCでFe2+→十二指腸、上部空腸で1日1mg吸収
 体内鉄の2/3はHb内、残りの大部分は貯蔵鉄(フェリチン、ヘモジデリン)、残りがMb、チトクローム、血清鉄、組織鉄
・鉄欠乏性貧血:central pallorが赤血球直径の1/2以上、骨髄は赤芽球過形成(M/E↓)、鉄芽球減少、貯蔵鉄(ヘモジデリン、フェリチン)↓、貯蔵鉄が回復するまで鉄剤投与継続、成人女性では子宮筋腫、成人男性では胃癌を検索する、貯蔵鉄→血清鉄→Hb鉄→チトクロームの順に低下、Plummer-Vinson症候群(咽頭痛、嚥下障害、食道web)、spoon nail
・慢性炎症による貧血:網内系が鉄を取り込む→フェリチン↑、原因はRA、IE、癌
・無トランスフェリン血症:鉄はトランスフェリンTfと結合して骨髄に入り赤芽球表面のTf受容体を介して取り込まれる、血清鉄=トランスフェリンと結合した鉄を測定→血清鉄は0
・鉄芽球性貧血:MDS(RARS)、B6欠乏、INH(B6に拮抗)、鉛→ヘム合成障害→無効造血→間ビ黄疸+血清フェリチン増加+PIDT1/2↓+%RCU↓、小球性+正球性の2相性(異常幹細胞+正常幹細胞なので)、骨髄で環状鉄芽球
・巨赤芽球性貧血:
 B12↓:胃切、悪性貧血、クローン病、blind loop、広節裂頭条虫、コバルト欠乏
 葉酸↓:アル中、フェニトイン、メトトレキセート、妊娠、溶血性貧血、癌、透析
 無効造血→間ビ黄疸+血清フェリチン増加+PIDT1/2↓+%RCU↓、Hunter舌炎、白髪、亜急性連合性脊髄変性症(後索、側索)、悪性貧血では胃癌や認知症合併、内因子+B12で改善ならSchilling試験陽性で悪性貧血、Howell-Jolly小体、好中球過分葉、汎血球減少、骨髄はM/E↓、巨赤芽球(PAS陰性→M6はPAS陽性巨赤芽球)、尿中メチルマロン酸↑(B12はメチルマロン酸分解にも使われるため)
・無効造血:巨赤芽球性貧血、鉄芽球性貧血、サラセミア、MDS。作っても壊す→血中にFe漏れる→フェリチン↑→Tf↓→TIBC↓→UIBC↓、鉄を取り込むが使えない→PIDT1/2↓%RCU↓
・溶血性貧血→間ビ黄疸、血清ハプトグロビン低下、尿中ウロビリノーゲン陽性、LDH1増加
・溶血性貧血ではMCVが大球性貧血になることも(大型多染性の網赤血球が↑ため)
・血管内溶血:尿中Hb+→鉄欠乏、尿中UBG+、尿中Bil-
 血管外溶血:脾腫、胆石、原因はHS,AIHA,PK欠乏症、尿中Hb-、尿中UBG+、尿中Bil-
・HS:AD、膜骨格蛋白異常→赤血球浸透圧抵抗低下→球状化→脾破壊、球状赤血球はHSとAIHA、ADなので正常RBCと球状RBC(central pallor消失)の混在、小児期からの貧血、黄疸、脾腫、胆石(黒色石)→腹部エコー、治療は摘脾、ヒトパルボB19で無形成性クリーゼ
・PK欠乏症:AR、ATP不足→血管外溶血、有棘赤血球、治療は摘脾
・G6PD欠乏症:XR、NADPH不足→血管内溶血、ハインツ小体、酸化物(空豆、アスピリン)を避ける
・サラセミア:AR、β鎖がたくさん作れない→HbA2やHbFが出現、これだけ小球性、標的赤血球、無効造血
・鎌状赤血球症:AR、ヘテロは電気泳動上HbSのみで無症状、β鎖のグルタミンがバリンに置換→HbS→血管閉塞と溶血、胸痛、腹痛、関節痛、成長障害、HbSはマラリアに強い
・AIHA:温式抗体、IgG、Ⅱ型アレルギー、球状赤血球、血管外溶血、原因はSLE、CLL、ペニシリン、αメチルドパ、診断はCoombs試験、治療はステロイド、直接CoombsはRBC膜上のIgG検出→患者血球に抗体、間接Coombsは遊離IgGを検出→患者血清に正常RBC
・CAD:寒冷凝集素、冷式抗体、IgM、血管内溶血、原因はマイコプラズマ、EBV、経過観察
・PCH:冷式抗体、小児、梅毒感染者によるドナースランドスタイナー抗体が原因、血管内溶血、治療は梅毒治療
・血球貪食症候群:サイトカインで活性化されたMφが血球を貪食→汎血球減少、原因はEBV(VAHS)、マイコプラズマ、RA、Still病、悪性リンパ腫(予後不良)、血清フェリチン著増(Still病とVHAS)、治療はステロイド、免疫抑制剤、血漿交換、骨髄移植
・PNH:幹細胞の後天的突然変異→膜アンカー蛋白異常→DAF(補体制御蛋白,CD55,59)↓→血管内溶血→早朝尿がコーラ色、NAP↓、RBCのChE↓、汎血球減少、血栓症(Budd-Chiariなど)、Ham試験(pH↓で溶血)、シュガーウォーター試験(イオン強度↓で溶血)、AMLや再生不良性貧血(AA-PNH症候群)を起こすことあり、治療は洗浄赤血球輸血
・再生不良性貧血:多能性幹細胞の障害→脂肪髄、汎血球減少(相対的リンパ球増多)、肝脾リンパ節腫大はない、骨髄穿刺でdry tapではない、胸腰椎骨髄がMRIT1,2でhigh、原因は特発性の他、放射線、ベンゼン、クロラムフェニコール、抗癌剤、AA-PNH症候群、ウィルス性肝炎、Fanconi貧血
・再生不良性貧血の治療:長期の免疫抑制療法でMDS、AML、PNHなどに移行する
 血小板5万以上→蛋白同化ステロイド
 血小板2万~5万→蛋白同化ステロイド、抗胸腺細胞グロブリン
 血小板2万以下→抗胸腺細胞グロブリン、シクロスポリン、45才未満なら造血幹細胞移植
・Fanconi貧血:先天的な再生不良性貧血、四肢や皮膚や腎の奇形、白血病が見られる
・赤芽球癆:赤芽球系幹細胞の異常、赤血球のみ↓(正球性貧血)、胸腺腫合併あり、原因はフェニトイン、伝単、ヒトパルボウィルスB19(一過性)、治療は慢性例ではシクロスポリン、ヒトパルボウィルスB19感染による無形成性クリーゼや胎児水腫には輸血
・Diamond-Blackfan症候群:先天性の赤芽球癆、胸腺腫はない、手指の異常、低身長
・腎性貧血:腎不全→EPO↓→骨髄赤芽球低形成→網赤血球低下→正球性貧血、治療はEPO補充
・真性多血症(PV):JAK2遺伝子の異常、RBC中心だが、全ての血球が↑、EPO↓、PaO2>92%(PaO2は正常、低下ならEPO↑のはず!)、RBC量男36女32ml/kg、RBC作り過ぎで鉄欠乏→MCV↓、顔面紅潮、頭痛、高血圧、痒み、脾腫、血栓症なのに出血傾向、赤血球作りすぎて鉄欠乏、NAP↑、B12↑、高尿酸血症、治療は瀉血、血栓予防にアスピリン、高尿酸にアロプリノール、痒みに抗ヒスタミン薬(抗癌剤のハイドロキシウレアはMDSに移行するのでしたくない)
・続発性多血症:チアノーゼ心疾患、COPD、MetHb血症、EPO産生腫瘍(小脳血管芽腫、腎細胞癌)
・NAP↑:PV、MF
 NAP↓:PNH、CML
・急性白血病→分化成熟障害+、骨髄芽球割合20%以上(正常は5%以下、5-20%はMDS)
 慢性白血病→分化成熟障害-
・急性白血病の分類
 ALL→ペルオキシダーゼ×(陽性3%以下)、エラスターゼ×
 AML→ペルオキシダーゼ○(陽性3%以上)、エラスターゼ×、ただしM0,M7はペルオキシダーゼ陰性
 AMoL(M4,5)→ペルオキシダーゼ○、エラスターゼ○
・M2>M1>M3>M4(M2以外は番号順)
・Down症ではM7かALLの合併が多い
・急性白血病の治療
ALL:VP療法(ビンクリスチン、プレドニゾロン)
AML:DCMP療法(ダウノマイシン、Ara-C、6-MP、プレドニゾロン)
Hodgkin病:ABVD療法(アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)
NHL:R-CHOP療法(B細胞性はリツキシマブ、シクロホスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチン=オンコビン、プレドニゾロン)
補助療法:血小板輸血(5万以下)、赤血球輸血(Hb8以下)、広域抗菌薬、ヘパリン、FOY、G-CSF
寛解導入→地固め→維持→強化、完全寛解は骨髄芽球5%以下、末梢血に芽球なし
・Tumor lysis症候群:腫瘍細胞崩壊で高K、高尿酸、高乳酸→ループ利尿薬と輸液でwash out、アロプリノール、重曹で尿アルカリ化
・白血病の遺伝子異常
 M2:t(8:21)→AML/MTG8キメラ
 M3:t(15:17)→PML/RARキメラ
 M4:inv16
 L3:t(8:14)
 CML/ALLのPh染色体:t(9:22)→BCR/ABLキメラ
・M3(APL):アズール顆粒が多い前骨髄球↑、DIC起こしやすい(FDP↑、Dダイマー↑)、治療はATRA、抗癌剤、ヘパリン+AT3、FOY。ATRAで分化誘導すると好中球著増で血管透過性亢進→肺水腫(レチノイン酸症候群)→ATRA中止しステロイド
・M5(AMoL):核の切れ込み、歯肉腫脹、皮疹、血中尿中ムラミダーゼ(リゾチーム)活性上昇
・M6(DiGuglielmo症候群):赤芽球系の異常クローン、無効造血で貧血が著明、赤芽球過形成、PAS陽性の巨赤芽球(巨赤芽球性貧血はPAS陰性)、白赤芽球症、幼弱なので多血症にはならない、骨髄で幼若赤芽球↑→PAS+ならM6、PAS-なら巨赤芽球性貧血
・ALL:L1→小児、L2→成人、L3→Burkittリンパ腫。1/5はPh染色体+、PAS陽性、中枢神経に入り込むと抗癌剤効かないのでメトトレキセート髄注で予防(現在は頭蓋放射線照射はしない∵遅発性知能発達障害)
・小児白血病のhigh risk群:1才以下10才以上、末梢白血球数3万以上、TorB細胞のマーカー陽性、縦隔腫瘍(胸腺由来のT細胞由来)
・ATL:HTLV-1、CD4+T細胞に感染、T細胞受容体は再構成されて細胞性免疫不全、九州に多い、母乳感染後0.1%に発症、肝脾腫、リンパ節腫大、紅皮症、皮疹、高Ca、LDH↑、血清中可溶性IL-2受容体↑(活動性の指標)、クローバー状の核(核の切れ込みはATLかM4,5)
・MDS:あらゆる血球形態異常(Perger-Huet核異常→レイバーンサングラス状核の好中球、好中球過分葉、巨大血小板、環状鉄芽球)、治療はhigh risk群は化学療法、55才以下なら骨髄移植
RA:芽球5%以下、治療抵抗性の貧血
RARS:芽球5%以下、環状鉄芽球+(=特発性鉄芽球性貧血)
RAEB:骨髄芽球5-20%
・慢性骨髄増殖性疾患:CML以外は全てJAK2遺伝子の異常
真性多血症:RBC↑↑↑、WBC↑、Plt↑、線維芽細胞↑(MCV↓)
本態性血小板血症:RBC↓、WBC↑、Plt↑↑↑、線維芽細胞↑
慢性骨髄性白血病:RBC↓、WBC↑↑↑、Plt↑、線維芽細胞↑
骨髄線維症:RBC↓、WBC↑、Plt↑、線維芽細胞↑↑↑
・MF:JAK2遺伝子の異常、dry tap、髄外造血、巨脾、涙滴赤血球、巨大血小板、NAP↑、白赤芽球症
・CML:Ph染色体t(9:21)→チロシンキナーゼ型癌遺伝子の活性化、著名な白血球増加、血小板増加、巨脾、NAP↓、好塩基球増加で消化性潰瘍、診断後3.5年後で急性転化でAML、ALL、急性転化すると骨髄内芽球20%以上,NAP↑,dry tap,CRP↑、治療はabl蛋白結合チロシンキナーゼ阻害薬(イマニチブ、耐性にはダサチニブ)
・CLL:全て老人、B細胞由来→CD19,20陽性、成熟小型B細胞の単クローン性増殖→無痛性の肝脾リンパ節腫大、AIHA合併、急性転化はなく長期安定経過、治療は対症療法、CD20陽性にはリツキシマブ
・巨脾:CML、骨髄線維症、Banti、マラリア
・ホジキン病:頸部リンパ節無痛性腫大→隣接リンパ節に進展、無痛性リンパ節腫大、発熱(Pel-Ebstein型)、盗汗、飲酒後の痒み、体重減少、可溶性IL-2α受容体+、Reed-Steinberg細胞、好酸球増加
病理組織分類:リンパ球優位型>混合細胞型>結節硬化型>リンパ球欠乏型(予後不良)
・非ホジキン病:ワルダイエル輪から節外進展、濾胞性は良性、びまん性は悪性、B細胞性は良性、T細胞性は悪性、悪性リンパ腫の8割
・可溶性IL-2受容体は悪性リンパ腫、ATLの活動性の指標
・ホジキン病、非ホジキン病の病気分類と治療:
AnnArbor分類:Ⅰリンパ節1個、Ⅱリンパ節2個、Ⅲ横隔膜両側、Ⅳ肝臓,骨髄に進展、発熱,寝汗,体重減少あればBつける
治療:Ⅰ,Ⅱ放射線、ⅠB,ⅡB,Ⅲ,Ⅳ化学療法(HLはABVD,NHLはR-CHOP)
・MM:形質細胞の単クローン性増殖、形質細胞なので核偏在と核周囲明庭、分化してるので骨髄で腫瘤を作る→赤色髄のpunched out→腰痛や高Ca→意識障害、電気泳動でγ分画が先鋭化かつ正常γ-G低下、Bence-Jones蛋白↑(pH4.9、56℃で白濁し100℃で再溶解)、β2-MG↑→骨髄腫腎、過粘稠度症候群、続発性アミロイドーシス→3度AVB→失神、赤血球連銭、赤沈亢進、病期はⅡ期:β2MG2.5~5、Ⅲ期:Alb3以上、Ⅳ期:Alb3以下、治療はメルファラン、シクロホスファミド、サリドマイド、13番染色体異常は予後不良
・原発性マクログロブリン血症:IgM産生B細胞の単クローン性増殖→低分化なので骨髄の腫瘤作らない、無痛性の肝脾リンパ節腫大、過粘稠度症候群が中心(Raynaud現象、視力障害、頭重感、血栓症だが出血傾向)、骨病変なし、リンパ球なので肝脾腫はある、治療は血漿交換療法
・MGUS:M蛋白血症だが正常免疫グロブリン産生は正常、高齢者
・Shonlein-Henoch紫斑病:先行感染→IgA免疫複合体→毛細血管炎→下腿伸側の紫斑、大関節痛、腸重積様の腹痛、IgA腎症様の血尿。RumpelLeede試験のみ+、13因子↓、IgA↑、好酸球↑、治療はNSAID、ステロイド、13因子
・ITP:血小板がPA-IgGで感作されて脾破壊亢進、脾腫はない(∵血小板は小さくて数も少ない)、小児は急性で風疹が原因で一過性、成人女性は慢性でⅡ型アレルギーでSLEやAIHAに合併で増悪と寛解、出血傾向→末梢血網赤血球↑、治療はピロリ除菌(OMC)が1st choice、ステロイド、免疫グロブリン大量投与、摘脾(5才以下の摘脾後は肺炎球菌ワクチン)
・Evans=ITP+AIHA
・Bernard-Soulier症候群:AR、GPⅠ欠損→血小板はvWF,GPⅠで毛細血管壁に粘着、巨大血小板、粘着能低下(リストセチン凝集能)、出血時間延長
・血小板無力症(Granzman):AR、GPⅡ,Ⅲ欠損→血小板どうしの凝集障害、血餅退縮障害、出血時間延長
・vWF病:AD、vWFは8因子のキャリア蛋白なので8因子活性も↓、粘着能低下(リストセチン凝集能)、治療はDDAVP(vWF、8因子を放出させる)、無理ならvWF、8因子の補充、出血時間延長+APTT延長
・老人性紫斑:凝固活性、出血時間、全て正常。血管の脆弱→軽度の打撲で紫斑、点滴が漏れる
・血友病:XRしかし3分の1は弧発例、血友病Aは8因子-、血友病Bは9因子-、活性25%以下で症状→治療目標は25%活性、症状が出るのは動き出す乳児期後半以降、治療は8,9因子補充、8,9因子インヒビター+なら7因子補充(バイパス療法)、血友病AにはDDAVP
・DIC:Borrmann4型、膵癌、APL、G-桿菌、Kasabach-Merritt、脱水、早剥。明らかな炎症があるのに赤沈が亢進しない、治療はヘパリン+ATⅢ、ダナパロイドナトリウム(10因子)、FOY(メシル酸ガベキサート、AT非依存性にトロンビン阻害)
・TTP:肝由来のvWF分解酵素(=vWF-CP=ADAMTS13)低下→vWFマルチマー→赤血球破砕症候群。原因は重症肝不全でvWF-CP合成↓、薬物/妊娠/HIV/癌でvWF-CPへの自己抗体。モスコビッチ5徴(紫斑、溶血性貧血、発熱、動揺性神経症状、腎不全)、治療は血漿交換療法、ステロイドパルス、血栓予防にアスピリン
・HUS:O157のベロ毒素→血栓→赤血球破砕症候群、神経症状、腎不全。止痢剤は禁忌、輸液と抗菌薬、ベロ毒素除去に血漿交換、腎不全に透析、出血にバソプレッシン、抗菌薬が有効かどうかは意見が分かれている(菌体崩壊↑でさらにベロ毒素↑で悪化するという意見もある)


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